狼少女と王子様



爆弾だった



私の心を打ち壊す言葉だった。


その真実は信じられなかった

信じたくなかった。




「お姉ちゃん、お父さんはね。

お母さんを殺してなんかいない。


無実なんだよ」




「嘘だ・・・・。


そんなわけない!」




私は立ち上がり叫ぶ


覆るはずがない


ここにいる渓と海だって知ってる




ほら、二人とも信じられないって顔してる


そうだよ


事実なわけがない




「お姉ちゃん、まだ続きがあるの。

お願いだから、最後まで聞いて。」



切なそうな声に私はベンチに座りなおした。



水城くんもやっと状況が読めたのか

私の肩をぽんぽんと軽く叩く



渓と海に睨まれていたけど・・・。

そんなことはどうでもいい。


どういう意味だろう。

無実なんて。