狼少女と王子様



「葵、なんだね。


やっと見つけた。


ごめんね、傷つけてごめんね。」





私は力強く葵を抱きしめた




葵も堪えきれなくなったように大粒の涙をぼろぼろ流す



水城くんは何のことか分からず
わたわたしている



私はそれをみて笑みがこぼれた





そっと葵を離し頭をなでる




そしたら葵はまた涙を流しながら


でも、笑った。





それから、あの公園のベンチに座って話す




「お姉ちゃん、驚かずに聞いて。」




葵は真剣な顔で私を見つめる



葵がさっき言った真実の話しだろう




でも、真実ってなに?


あの男のこと?



なわけない。




あいつが事故を起こしたのは事実だ。


新聞にだって載っていた。