狼少女と王子様




ふわりっ。



レモングラスの香り



目を片手で塞がれて何も見えない。




「ごめん、茜。

俺のせいだ、ごめん。」




ぎゅっと包み込んでくれるのは

この香りは、海だ。




私が来たのは、あの公園の前の路地。


思い出した。

海との出来事、鮮明に。


痛みさえ。





ふぅっと息を吐いて香りに包まれる




「あ、ありがと。大丈夫。」



私は、ばっと立ち上がり

少しずつ歩き出した。



三人は後ろから心配そうについてくる。




お前らが私の兄貴か父親かっ!