狼少女と王子様



私は玄関に鍵をかけて



すぐさま走り出していく。



声がだんだん近づいて

ぴたりと止んだ。




道のど真ん中私は立ち止まる。






「一体、どうしたの?」


「茜?」



水城くんと海が私の顔を覗き込む




私にだって分からない。

てか、ついて来たのかよ



見慣れた風景がそこにあって

私は、足が動かない。





「茜、戻ろう。」



渓が焦ったように声をかけるけど


もう、駄目。

思い出すな。



あの、痛み。



もう、大丈夫だろ?

ほら、近くに海がいても・・・・。





ズキンッ。



私は足から崩れていく。