狼少女と王子様



やっぱ無理。


泣くなんてしたくない

見せたくなんかない



男なんかに。


栞ちゃんと葵を奪ったやつと同じ男に。


分かってる。

八つ当たりだって。


筋違いだってことも。



もう、私は高校生だもの。

それくらいもう分かってる。



だけど、それでも心が追いつかない。



ぽたりぽたりと滴が頬を伝う



「お願いだから、帰って。私に関わらないで。

迷惑よ!!」




私がこれ以上誰かを傷つけてしまわぬうちに。



「葵どこ?」

心の中で叫ぶ。



「お姉ちゃん!私はここにいるよー!」



えっ?


葵?




声が聞こえた。