狼少女と王子様


大声で叫んだ。


お姉ちゃんが私を見つけて
涙を零した。


ズキンッ。


胸の奥が熱い。



私はただ立ち尽くしてお姉ちゃんを待つ。




「葵!」



お姉ちゃんは苦しいほど私を抱きしめる。


夢だけど、会えた。




涙が止まらない。





泣きじゃくる私に、お姉ちゃんは少し笑って
頭をなでた。



「葵、良かった。やっと見つけた。

本当に葵?また他人じゃないよね。」



ごめんね、嘘ついて。

また、私はお姉ちゃんを傷つけていたんだ。



お姉ちゃんにしがみついて何度も何度も謝る。





「ごめんね、嘘ついて。

本当は・・・・。」




言いかけたところで目が覚めた。




涙がベッドに染込んで冷たい。



あぁ、夢だったんだ。


夢で良かったけど、現実じゃないことに
苦しくなる。



矛盾だらけ。



蝉が五月蝿い、外の世界。




耳の奥で聞こえるお姉ちゃんの声。



あの頃より、強く深く響く声。





私は、着替えて外を歩き始める。


なんとなく昔遊んだ公園へ向かっていた。