狼少女と王子様

「帰ろうか。」

「うん。」


ふと見上げれば雨雲は一つも無く

虹が広い青のキャンパスに描かれていた


少し冷たく心地よい風がそっと私の頬を撫でる




優しく





「これからどうする?

暇だったら僕の家に来ない?」


「えっ。別に良いけど。

暇だし・・・。
(葵は見つからなかったから)」


そこらへんの水溜まりが

青々とした風景を映す


鳥達が歌い

心に爽やかな空間が広がっていった



だけど綺麗な水に浮かぶ私の小さな船は流されていく


悲しい色をして


「着いたよ。」


「うん。わっ、相変わらず凄い家。」


門が私の目の前にそびえ立つ

一歩内に入れば立派な日本庭園が目の奥を埋め尽くす。



私は水城くんに続いて家の中に入る


長い廊下を歩いて数分


やっと水城くんの部屋に着いた