もしかして、そんな・・・・

酷い。



「彼方、海(かい)?」

「そうだよ、凛。」



彼は切なそうに笑って

椅子を戻した




伊純 海(いづみ かい)


伊純 渓の双子の弟で私の・・・

婚約者。



と言っても

お父様が勝手に決めた相手



そんなこと今はどうでもいい。


一歩一歩海に近づき、キッっと睨む



許さないんだから!!



パァンッ。


教室に頬を叩くいい音が鳴った



「今度茜に手を出したら

お母様に言うからね。覚悟しなさい。」




大体こうなった理由は知っている。

でも、許せない。




海は私が叩いた頬を手で押さえながら

目を見開いてマヌケズラだった



「今回は見逃してあげるから早く出てって。」



そう言うと、複雑な顔をして教室を出てった