狼少女と王子様

自分の方が傷ついたと勘違いして


大切なのに傷つけて


涙が不意に頬を伝った


誰か


助けて

駄目な私を


暗く濁った空を見上げ

ただ涙が溢れていた



突然の雨で私の周りには誰も居なく


辺りが静まり返っていた


パシャンッ


何処からか聞こえる水しぶき


黒くなっていく

心が痛い



下を向いてみても瞳に映るのは

ぼやけた靴だけ



「誰か・・・。」


まだ涙が止んではくれない


「僕じゃ駄目かな?」



不意に誰かに抱きしめられる


雨の音は何処か遠く

どこか懐かしい
カモミールの優しい香りがした