俺はだんだん眉間に皺がより始めた

あまりの怒りに耐えられなかった


「どういうつもりだ!」


畑の胸倉を掴んで叫んだ

すると畑はふいに寂しそうな顔をした


悲しくて儚げでそんな女の子の目だった


俺は掴んだ胸倉を離し
まだ少し怒りながらももう一度聞いてみた


「だからよ。」

「えっ?」


あまりにも小さい声

だけど少し声が震えているように聞こえた


「私が赤ちゃんを嫌いだからよ!
憎いからだよ!文句あるか!!」


とても女の子とは思えない大きく力強い声


腹の底から何が爆発したような

だけどそれでいて何かを堪えるようにぎゅっと拳を握っていた


俺は一瞬怯んだけれど
理由を問わずにいられなかった


拳を握りしめ深呼吸してゆっくりとまばたきをする


「理由を教えてよ。
じゃなきゃ家潰すよ?」

畑さんは少し目を泳がせたけど

すぐに真っ直ぐに俺を見て不適に笑った


腕を組んで

光の無い瞳で

諦めたような仮面が張り付いていた


「それはね・・・・「泣くなよ!」


本当は言うべきじゃない

でも良心がそれを許さなかった