「赤ちゃん。」
「一緒に帰ろう。」
「可愛いね。」
「何?アリちゃん。」
「ついて来ないで。」
「五月蝿い!」
朱里のあの言葉も
私のあの言葉も
“嘘”だったんだ
私に向けられたら向日葵みたいな笑顔
どことなく葵みたいだった
それだけでも嬉しかったのに
私が睨んでも笑って
怖がらずに話しかけてくれる
海や渓といる時とは違う
安心感みたいな温かい気持ち
あの一言が私を少しずつ変えていった
「ねぇ、笑って?」
最初は不信感を抱いていた私もこの言葉で素直になれた
最近は3人で毎日を過ごしていた
「赤ちゃん大好き。」
「馬鹿////。
でも、そういう所嫌いじゃないよ
あ、かり。」
初めて女の子を呼び捨てにした
海も渓もそして朱里も驚いていたけど
みんな太陽みたいに笑うんだ
それが何より嬉しかった