その時、朱里・・・・。
あいつは腕を組み、不適に笑っていた
まるで何かに勝ち誇ったように
そんな奴の視線の先には男子二人と女子一人が
楽しげに笑っていた
「ふーん。海様と仲良いんだ。
好都合な獲物だわ。
覚悟してね
“赤ちゃん”」
働きアリの企みを知っていたら
今、私は狼少女と呼ばれなかったと思う
私は確かにあの頃から
男が嫌いだった
だけど、渓と海だけは特別だった
一番大切な人
小さい頃から一緒で
家族みたいな感じで過ごしていた
だからきっと分からなかったんだと思う
2人がモデルに劣らない程だと
確かにかっこいいと思った事はあるけれど
あまり気にしたことは無かった
近くにいる私が邪魔だったのだろうか
今思えば納得がいく
あいつがとった行動が