狼少女と王子様


~凛side~



「じゃあな、センセイ。」



茜が出て行ってから
私は椅子に座り込んでいた



茜を止められなかった
それしか頭になくて




「河井先生大丈夫かな?」




誰かの言葉で我に返る



そうだ河井先生忘れてた




まだ廊下にいる河井先生を一瞬だけみた


ピクリとも動かない





クラスメートが立とうした所をみて




「私が行く。」




無意識そう言っていた



どうやら生徒会長が
なんとかしてくれると思ったようで


立とうした生徒は座った



「はぁ。」




ため息がこぼれる



なんで私、行くなんて言ったんだろう



こんな面倒な事を




言ってしまった事は仕方ないので


誰にも気付かれないように
またため息をつき、廊下にでる



「先生、大丈夫ですか?」


「おぉ。」




むくりと動く河井に無性に苛々した