狼少女と王子様




椅子を掴んでこちらに向けて・・・



怒りでなのか、伊純の体が震えている



どうしてかな?


あのクソジジイと重なって見えて


怖くて

怖くて


ただそこから動けないまま


「イヤーーーーー!!」


叫ぶしかなかった



呼吸も上手く出来なくて

涙が溢れてくる



誰か助けて・・・




そのまま私は意識を手放した



一瞬だけ見えた伊純は

申し訳なさそうに私を見ていた



何でそんな顔するの?

ねぇ、何でだよ。