狼少女と王子様




「家族いないから。」



いきなり理由を言ったせいか

一瞬キョトンとしたものの


またもや面倒なことになった



「デタラメ言うな!

そんな嘘でごまかせると思うなよ。」



本当の事言ったら嘘扱いかよ


どうしてか知ってるくせに

忘れちゃったわけ?



「本当だっての。

そんなのも分かんないわけ?」



こっちもイライラしてきた為


馬鹿にした言い方で返し

伊純の顔を見た



なんで、そんな悲しそうなの?

意味分かんない。



「いい加減にしろよ。」


伊純は私の腕を掴み

椅子から私をもちあげ床に落とす



「いってーな。」


伊純を睨むが頭に血がのぼっているらしく


睨みも効かなくて少しやばいと

思った時には既に遅かった