『無理!!』

『無理じゃない!!』



こんな些細な言い合いをしてる私たちは、いつの間にか…いつもの二人に戻っていた。



私が、最後に真吾の口から聞きたかった事…。


『ねぇ、真吾??由樹さんの妊娠って、本当に真吾の子じゃないの??』


『違うよ。由樹はね…』

真吾が由樹さんとの私の知らない過去を話そうとしてくれた…。


けど………


『言わなくていい!!』

『ちゃんと聞いて??倖知に話せないような、やましい事はないから。倖知に疑われたままとか、不安にさせたままは嫌だから』

『それでも、言わなくていい!!!それに、疑ってもないよ』


そう…、私は疑って聞いたわけじゃない。
ただ、安心感が欲しかっただけ…。


そりゃあ、最初に由樹から話を聞いた時は…

確かに頭の中が真っ白になって、真吾を疑って、不安な気持ちで心が苦しくなったけど、

『違うよ』って言った今の真吾の力強くて優しい瞳…私にはこれで十分だ。



『もしね、違うって言った事が嘘だったら…ずっと嘘ついたままお墓まで持って行って♪』

『嘘じゃない!!』

『分かったってば(笑)』