智哉との関係に、そういう関係はなかった…。

けど、真吾はそんな事知らないし。



『それでもイイなんて笑って言えるハズないだろが!!』


真吾の表情は怖くて、声も低い。


『でもそれでも、倖知から捨てられるまででも一緒にいたいって思っちゃうの、いけないのかよ…』



怖く低い声はだんだんか細くなって…


『なんで…真吾が泣くのよ…』


真吾が泣いた…。





付き合ってた頃、一緒にテレビで動物のドキュメンタリー番組を見て、号泣してる私にティッシュをくれた真吾の瞳にも涙がたまっているのを見た時以来…???



もう、五年以上一緒にいるのに、真吾の涙を見たのは二回目だ…。






傷つけて苦しめてるのは


私だ……。




『カッコわりぃ…俺』


うつむいて頭をガシガシとかきむしる真吾に、
私は首を横にふる。



カッコ悪くなんか…ない。




『そんな事ない…』


歩みより、真吾の頬に手をあてた。



『ごめんなさい…ごめんなさぃ…真吾ごめんなさぃ』




やっと…



やっと…



分かった…。