智哉を利用して、傷つけて、別れたら真吾に抱きついた私自身が怖い…。




でもね…
最低だとしても、
智哉に対して感じてしまった


“この人じゃない”
という温もりの行く末は




きっと私自身気づいてた……。




本当に欲しい温もりの腕の場所は


本当は私自身が一番気づいてた……




けど、その温もりにすがりつくことが出来なかった…。



また、裏切られるのが怖い…。

また、傷つくのが怖い…。

また、失うのが怖い…。




『ごっ、ごめんなさい!!』


ハッとして離れたら…


『ダメ!!』


抱きしめられた。


『離れたら、ダメなんだって…』


『し んご!?!?』


抱きしめ返されたことにスッゴく驚いたけど、

真吾の腕は力強くて
真吾の胸は温かくて
呆然と身を任せてる事しか出来なかった…。



『…好き』


『!!!!』




真吾に好きと言われてドキッとした。


ヤバい……



泣きそう……。





『倖知??』

抱きしめられてた強い腕が緩んで顔をのぞき込まれた。



『ごめん!!泣くなよ~ぉ!!!!』



まだ泣いて…ないもん???