「わたしの隣に来て、手つないでよ……」 つい、そういってしまった。 いい終わってからはっとする。 「……や、やっぱゴメン! 今のな……」 「いや、いいよ」 羽夢はわたしの言葉をさえぎってそういうと、わたしの隣にきた。 そして、わたしの手をぎゅっと握ってくれた。 「……ゴメン」 「いいっていってんだろ」 羽夢の手は、意外と大きかった。 夏なのに、サラサラでスベスベ。 それに、あたたかい。 わたしはなぜだか泣きそうになった。 「……ありがと、羽夢……」 わたしはぽつりとそうつぶやいた。