「はっ!何かあったのか!? シド先生はここでじっとしていてください。私は様子を見てきます」 そう言ってアレックスが駈け出す。 3歩進んだ所で両の腰にかけていた長刀を抜く。 「……う、スアロ……」 吐き気がする様な頭痛の中でふと過った名前。 「……スアロ?……何の、誰の名前だ?」 ゆっくりと腰をあげて、オレはふらつく足で歩き始めた。 黒い雲に覆われていた空の一端に切れ間が指していた。 それは何かの導きか、それとも……