そして林先生の腕を引っ張って3人の前に連れて行った。
「朋香、先生って?」
真朝が不思議そうに言った。
その時、朋香は初めて「しまった」と気付いた。
心療内科に通っている事は光弘と美穂しか知らない。
美穂は多分、この男性が林先生である事に気付いているだろう。
皆の前で思いっきり「先生」と叫んで駆け寄って行ったのをどう誤魔化すか、朋香は必死に考えていた。
すると林先生が、
「はじめまして。
僕は有田さんの高校の時の担任で、林といいます。
皆さんの劇、先程拝見させて頂きましたが、とても面白かったですよ。」
と、サラリと言ってのけた。
真朝も瑠璃子も、その見た目の良さに釣られて、微塵も疑う様子はない。
(さすが先生…)
朋香は安心した。
真朝と瑠璃子が林先生に魅入っているうちに、朋香は美穂に、
「この人が心療内科の林先生だよ。」
と耳打ちした。
美穂は「うん、分かってるわ」と少し表情を硬くして言った。
一瞬、朋香は不思議に思ったが、とりあえず皆を紹介出来て満足したので、さほど気にも留めなかった。
「あ、光弘の所にも行かなくちゃだった!」
朋香が思い出したように言う。
「あ~、スコート着てやる喫茶店でしょ~。
これは見に行くっきゃないねぇ!」
と真朝の目がニヤリと光ると同時に、携帯の着信音が鳴り響く。
「あ、ちょっと待って、電話…」
と真朝が携帯を開いた。
「…うん、うん。
あ、大丈夫だよ、美穂も瑠璃子もいるし。
今、講堂前。
急いで来なよ!」
「私と瑠璃子?
誰なの、今の電話?」
美穂が不思議そうに尋ねる。
「ん?
剛だよ、今日見に来るって言ってたからさ。
美穂と瑠璃子は去年の合コンで面識あるし、一緒に回っていいよね?
朋香はちゃんと紹介するし。
それとも、皆別行動がいいのかな?」
真朝が、うーんと首を傾げる。
「朋香、先生って?」
真朝が不思議そうに言った。
その時、朋香は初めて「しまった」と気付いた。
心療内科に通っている事は光弘と美穂しか知らない。
美穂は多分、この男性が林先生である事に気付いているだろう。
皆の前で思いっきり「先生」と叫んで駆け寄って行ったのをどう誤魔化すか、朋香は必死に考えていた。
すると林先生が、
「はじめまして。
僕は有田さんの高校の時の担任で、林といいます。
皆さんの劇、先程拝見させて頂きましたが、とても面白かったですよ。」
と、サラリと言ってのけた。
真朝も瑠璃子も、その見た目の良さに釣られて、微塵も疑う様子はない。
(さすが先生…)
朋香は安心した。
真朝と瑠璃子が林先生に魅入っているうちに、朋香は美穂に、
「この人が心療内科の林先生だよ。」
と耳打ちした。
美穂は「うん、分かってるわ」と少し表情を硬くして言った。
一瞬、朋香は不思議に思ったが、とりあえず皆を紹介出来て満足したので、さほど気にも留めなかった。
「あ、光弘の所にも行かなくちゃだった!」
朋香が思い出したように言う。
「あ~、スコート着てやる喫茶店でしょ~。
これは見に行くっきゃないねぇ!」
と真朝の目がニヤリと光ると同時に、携帯の着信音が鳴り響く。
「あ、ちょっと待って、電話…」
と真朝が携帯を開いた。
「…うん、うん。
あ、大丈夫だよ、美穂も瑠璃子もいるし。
今、講堂前。
急いで来なよ!」
「私と瑠璃子?
誰なの、今の電話?」
美穂が不思議そうに尋ねる。
「ん?
剛だよ、今日見に来るって言ってたからさ。
美穂と瑠璃子は去年の合コンで面識あるし、一緒に回っていいよね?
朋香はちゃんと紹介するし。
それとも、皆別行動がいいのかな?」
真朝が、うーんと首を傾げる。


