光弘の両親は、光弘の容態が安定するまで病院に泊まれるよう、手配をしてもらった。
瑠璃子の両親は隣市の実家に一旦帰る事にした。
朋香の母親も今夜は家に帰ろうと、旦那に声をかけようとした。
「あなた、今日は…」
そう言いかけた時、旦那が誰と向き合っているのかが目に入って驚いた。
「パパ…」
ハッと朋香の母親は自分の口を塞いだ。
まだ夫婦だった頃の名残りで、つい『パパ』などと呼んでしまった。
「構わないよ、『ママ』。
有田さんもお久しぶりです。
通の時以来…ですよね?」
と、朋香の実の父親が手を差し出した。
有田も、
「えぇ、まさか再会がまたこんな形になるとは思いませんでしたが…
朋香ちゃんは事故に、直接は巻き込まれていないようで安心しました。」
と手を握り返しながら答えた。
「そうですね、こんな形なのは不本意ですが…
それでも子供達が無事だと分かって何よりだ。
しかし朋香は面会謝絶だし時間も遅い、今日はこれで失礼させてもらいますね。」
と溝口が言った。
「パパ、お仕事は?
今から家に帰るんですか?」
朋香の母親が尋ねた。
「仕事なんて、1日2日位、どうとでもなるよ。
今日はそこのビジネスホテルに泊まって、明日の朝から顔を出しに来るよ。」
「分かりました…
あなた、私達も今日は帰りましょう。
また明日、皆さんも入院の準備をしていらっしゃるそうだし…」
そう言って、3人もそれぞれ病院を後にした。
そんなやり取りが行われている中、林先生は精神科の病棟に向かっていた。
そして以前、朋香が入院していた時のカルテを棚から取り出した。
それと、念の為、新しく瑠璃子用のカルテを作成した。
精神科の夜勤看護師達に2人の事を大まかに説明して、もしかしたら精神科に入院させるかもしれない事を伝えた。
そしてその精神科のカルテを持って整形外科に戻り、整形外科の夜勤看護師達に見せて、2人が目を覚ましてからの行動に十分気を付ける事を明日の朝の申し送りで伝達するように注意してから、彼も病院を出た。
明日は大事な雫の診察日だから…。
瑠璃子の両親は隣市の実家に一旦帰る事にした。
朋香の母親も今夜は家に帰ろうと、旦那に声をかけようとした。
「あなた、今日は…」
そう言いかけた時、旦那が誰と向き合っているのかが目に入って驚いた。
「パパ…」
ハッと朋香の母親は自分の口を塞いだ。
まだ夫婦だった頃の名残りで、つい『パパ』などと呼んでしまった。
「構わないよ、『ママ』。
有田さんもお久しぶりです。
通の時以来…ですよね?」
と、朋香の実の父親が手を差し出した。
有田も、
「えぇ、まさか再会がまたこんな形になるとは思いませんでしたが…
朋香ちゃんは事故に、直接は巻き込まれていないようで安心しました。」
と手を握り返しながら答えた。
「そうですね、こんな形なのは不本意ですが…
それでも子供達が無事だと分かって何よりだ。
しかし朋香は面会謝絶だし時間も遅い、今日はこれで失礼させてもらいますね。」
と溝口が言った。
「パパ、お仕事は?
今から家に帰るんですか?」
朋香の母親が尋ねた。
「仕事なんて、1日2日位、どうとでもなるよ。
今日はそこのビジネスホテルに泊まって、明日の朝から顔を出しに来るよ。」
「分かりました…
あなた、私達も今日は帰りましょう。
また明日、皆さんも入院の準備をしていらっしゃるそうだし…」
そう言って、3人もそれぞれ病院を後にした。
そんなやり取りが行われている中、林先生は精神科の病棟に向かっていた。
そして以前、朋香が入院していた時のカルテを棚から取り出した。
それと、念の為、新しく瑠璃子用のカルテを作成した。
精神科の夜勤看護師達に2人の事を大まかに説明して、もしかしたら精神科に入院させるかもしれない事を伝えた。
そしてその精神科のカルテを持って整形外科に戻り、整形外科の夜勤看護師達に見せて、2人が目を覚ましてからの行動に十分気を付ける事を明日の朝の申し送りで伝達するように注意してから、彼も病院を出た。
明日は大事な雫の診察日だから…。


