「何で……」



体が震え、私は隆斗の腕にしがみ着いた。

―――ねぇ、あの日もこんな出来事があったよね。

小五郎さんに車を出して貰って出掛けたら、窓ガラスを割られて…。



「ごめんね…みんな…」



せっかくの作品、こんな事になって。

私は隆斗に生徒たちを任せ、教室を出る。



「おい、待てよ…」



しかし、隆斗に腕を掴まれた。



「許さないよ、私…―。
全てをさらけ出しても、許さない…」



「姫菜、お前まさか…」



私は隆斗の腕を振り払い、階段を駆け降りた。