隆斗と体育館に入り、並んで座れば、入学式の始まり。

新入生の緊張した横顔を見守る。

理事長である父親の挨拶を聞いてると、中山とさゆの小声で「は?」とか、「マジで!」と言う声が聞こえて来た。

私は体勢を低くしながら2人に近付き、体育館の外へと引っ張り出した。



「入学式の最中に何を話してるの!」



私が2人を注意すると、さゆが「先生、聞いてよ!」と半泣きで言う。



「今から雄志の敵が来るとか言ってんの!私たちやっとここまで来たんだよ?雄志が退学になったらどうすんのっ!?」



さゆは涙を溢れさせながら中山の腕を掴む。