「明日からはただの同僚よ」と笑う倉敷先生。

…“ただの同僚”って、何?

隆斗は何も深い意味を持ってなかった筈でしょ?



「はっきり言って、俺は倉敷を同僚以外に思った事はない」



…ほら、ね…。

けど、やっぱり私は悪い女。



「隆斗、帰ろう?私、このままだと、倉敷先生の事、殴りたくなる。いや、殴りたい」



私は煙草を消して、エンジンボタンを押した。

隆斗は「わかった」と言って、車に乗る。

私は2人に何も言わず、アクセルを踏む。



「姫菜、妬いたわけ?」



隆斗は信号が赤になって止まった時に、私に近付いて来た。