【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

私はこちらを振り返る先生たちに頭を下げる。

駅に向かう先生たちは、心配そうな表情だ。

粟田先生は、私を睨んでたけど。



「隆斗…私ね?本当に、隆斗が好きだった…」



「…ん」



「でも、諦めるわ。私は小嶋先生に勝てないわ…」



別に私は勝負してないし、勝つ気も負ける気もない。

私は口を挟みそうになり、隆斗がセルフボールに乗せていた煙草を一本、取り出した。

高校を卒業してから吸ってなかった煙草。

胸に溢れる怒りや思いを沈める。



「そうか」



淡々とした隆斗の返事を聞きながら、私は紫煙を吐き出す。