腕を解放された隆斗は、「仕方ないですね」と笑い、私が借りてるジャケットのポケットから指輪を出し、自分の右手の薬指に嵌めた。

校長が「もう隠せませんからね」と言えば、隆斗は私を抱き締めた。



「高校の時から、付き合ってたんですよ」



「「「『えー!!;;』」」」



隆斗のカミングアウトに、周りは騒然とし、倉敷先生は「ヤダ…っ…」と泣き出す。

…“ヤダ”ってだぁ゛…!!

私は隆斗に涙を拭かれて、前屈みになってた体を起こす。



「勘違いしてるみたいだけど、俺は姫菜以外を異性と見た事はないですから」



隆斗はそう言って、私の頭を撫で続ける。