【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

志乃は『相変わらずラブだねー』と言いながら、相槌を入れながら聞いてくれた。



『姫菜さ、あの日の事、引きずってんの?』



「引きずってはないけど」



『なら、堂々と居なさいよ。
あの日が2人の絆を深めた筈でしょ?大丈夫よ』



志乃にそう言われて、どこか安心した自分がいた。

“隆斗を縛ってるかも…”と、悩んだ時もあったけど、隆斗は「お前と居たいだけだ」と言ってくれたんだもん。

不安になったらダメだ。

私だって、隆斗と居たい。



「ありがとう、志乃!」



『何かあったら、前みたいに電話しなさい(笑)』



私は電話を切り、ジャケットに水が飛ばないように手を洗い、座敷へと戻った。