「よっしゃぁー!次はさゆと真優のリレーだね!」



中池の勝利を見届けたら、余韻に浸らずしおりを開いて確認。

100mずつ、4人で走るんだ。



「さゆー!真優ー!」



「まだ入場門にも、立ってねぇだろ」



「そうだけどさぁ…」



雄志に頭を掴まれて、私は一旦、叫ぶのを止めた。

…あー。

一番最初の種目だけで、声が枯れて来てるよ。



『プログラム二番。100mリレーの選手が入場します』



「“入場”?さゆ!さゆー!!」



クラスの中で、最初に私を認めてくれたさゆ。

順位は付けたくないけど、特別な子。