ーーパチパチパチ…ッ



「いやぁ、心を打たれました。
姫菜。本当に、良い生徒に恵まれたな」



拍手をしながら、現れた理事長である父親。

先生たちが頭を下げる中、隆斗に耳打ちをした父親。

隆斗はニヤッと笑い、粟田先生の前へ。



「え…?」



退職願と書かれた封筒を奪い、二つ、四つと破った。

「捨てとけ」と、中池に渡すと、教頭を退けてマイクの前へ。



「今、聞いた話は全て忘れろ。そして、2Aのヒラヤマは放課後、職員室に。体育祭も予定通りに行う」



「――先生っ!!」



「雄志っ!!(笑)」



今にも抱き着いて来そうだった中池を避け、雄志に飛び付く。