【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

ムスッとしながら教科書を手渡した。

運んであげようとも考えたけど、変態は自分で運べ。



「小嶋先生に手を出したら、海に沈めてやるからな」



私たち2人にしか聞こえないような小声で呟いた隆斗は、私の腕を引いて歩き出す。



「教室、行くよ」



中池に振り返りながら言うと、「はーあーい」と、間延びした返事をしてついて来る。



「心配しなくても、人の女に興味ないですよ!」



「どうだかな」



隆斗は「眼鏡を外すな」と、私に耳打ちをして来る。

私は本当はよくわからないながらも、「All right」と、頷いた。