【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

芽依実ちゃんが私の隣に来た。



「うちの母親、沼田に“ババア”って言われてムカついてるらしいよ?」



「沼田が?」



…そんな性格だったっけ…?



「根深いよ、山下苺愛は。ちなみに父親が、母親よりキレてるから、沼田は大変だ(笑)」



芽依実ちゃんは、まるで暴走族を囃し立てる親衛隊のような感じ。

苦笑しながらキッチンに行く守優君のお母さんを見ると、ニコッと笑われた。

…ふぁっ!

体がとろけそうに甘い笑み。

ふらふらしちゃう。



「眩しい…」



「自分の事も、自覚しなよ?……って、聞いてる?」



芽依実ちゃんの声は、もう私の耳には届かない。