「…何してるの?」



「篤と話してたんだけどさ、姫ちゃんから理事長に頼んで、頼子ちゃんをこのクラスに入れてくれない?」



「そんなん無理だろ、舜」



私が否定する前に、雄志が否定をする。

生徒たちの気持ちはわかる。

しかしそれは、簡単に許される事ではない。

私はアンケートと名簿を教卓に置き、教室のドアを開けた。



「自分のクラスに戻りなさい」



「何でだよ…先生…」



「姫ちゃん、何でだよっ」



篤と舜が、“信じられない”というような顔で、私を見て来る。

私は罪悪感を感じながらも、戻るように再度、叫んだ。