「何で話を聞かなかったんだよ」
職員室までの道のりを歩く。
雄志は2階に上がり、他の生徒たちと渡り廊下を通れば良いのに、ついて来る。
「私は担任じゃないから。隆斗に話さず、私に話すのはおかしくない?」
「そうか?自分が話したいヤツに話せば良いんじゃねぇの?」
互いに疑問系になり、答えが纏まらない。
私は立ち止まり、雄志を見上げた。
「雄志はピンチな時、担任の私と、他のクラスの受け持ちである隆斗、どっちに相談したい?」
「男の相談は梅田」
「さゆがイジメられてたら?」
「担任のお前」
「でしょ?クラスの問題は、クラスで解決するの」
そう言って、私は歩き出す。