【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

「私…誰も殺ってない…?」



「姫菜、ちゃん…?」



「隆斗と離れる事はない…?」



自分の中で消えてる数時間の記憶に不安を覚え、体がブルブルと震える。



「大丈夫。梅田は授業してるだけだよ。姫菜ちゃんは、ここに寝てただけ」



さゆに手を握られ、ホッとして涙が出て来た。

「泣く必要ないだろ」と、私の頭にティッシュ箱を置き、後ろにあった円形のテーブルに浅く腰を掛ける。



「私…何度も隆斗と別れる事を考えた…。けど怖い…。隆斗しか、私には居ないんだよ…っ…」



私がティッシュで涙を拭いながら言うと、さゆは「わかるよ」と、頷いた。