教室を出ようとする安西さん。

しかし、すぐに私へと振り返って来た。



「私…“さゆ”だから」



「ん?」



「あんたも、さゆって呼んでよ。
……姫菜先生…」



少し照れながら言うさゆ。

…可愛い…(笑)



「気を付けて帰ってね、さゆ」



私は笑顔でさゆを見送った。

立ち上がり、纏めておいた木刀や金属バットを持つ。

出席簿を何とか持ちながら教室を出ると、隆斗が出席簿で肩を叩きながら立って居た。



「いつから居たの?」



「さぁ?(笑)」



隆斗は怪しく笑いながら、私に出席簿を渡すと、木刀と金属バットを持ってくれた。