【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

座り込みながら姫菜を支える。

腕の中で眠る姫菜は、いつもの姫菜に戻ってる。



「なぁ梅田」



姫菜の頬を撫でてると、雄志に声を掛けられた。



「何だよ」



「本当に姫菜はあの時、1人で頑張ったんだな」



生意気でそう言った雄志の頭を小突くと、慎と志乃は顔を見合わせて微笑んだ。



「誰よりも、辛くて痛かったよね。姫菜…」



「ありがとな、姫菜」



「……隆斗…私を捨てないでくれて…ありがとう……」



姫菜の寝言を聞いて、思わずギュッと抱き締めた。

泣きそうになったのを、鼻で笑って誤魔化す。