【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

本当は、俺らも姫菜が【紅姫】となった瞬間を見てないんだ。

全部…沼田彰宏から聞いた話。

【KING】のスパイであったあいつに。

俺は一か八かで姫菜に近付いた。



「…私の仲間に何をした」



姫菜の瞳に俺は映らない。

慎と志乃が来る。



「姫菜、隆斗だぞ?」



「わかる?」



「…隆斗だ?隆斗はまだ来ない。隆斗は…」



「ここに居る。いつも、お前の傍に」



何て声が掛けられば良いかわからなった。

ただ頭に浮かんだ言葉を言った瞬間、砂ぼこりが止み、姫菜が気を失って、倒れて来た。