【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

「私さ…あんたは簡単に人を見放さないと思うんだけど」



「…うん。私は人を信じる馬鹿だからね。でも、それも悪くない思えたのは、彼氏のお陰かな。安西さん、中山は貴方の存在に救われてる。私も何か考えるから、中山の傍に居てあげて」



私に考えが浮かぶ筈がなかった。

けど、思えば隆斗は傍に居てくれた。

追い掛けてばかりの私を、いつも待っててくれた。

それだけでも、人に救われる。



「…んじゃ、私も帰る」



「気を付けて」



私は立ち上がる安西さんを見上げて見送る。

少し笑った安西さんに、私も微笑む。