思い出に、出来たんだろう。
「…私さ、志乃になりたいよ」
「またぁ?あんた、知り合ったばかりの時も言ったね」
あの頃とは違う。
自由がいっぱいあって。
強い志乃に憧れてた時とは違う。
「私はまた…思い出には出来ない。傷が消えない限り」
項の傷に一瞬、痛みを感じた。
撫でると、思い出す隆斗の温もりは、昔のモノ。
震えながら、抱き締めてくれた、あの温もり。
「私は単細胞だから、姫菜みたいに覚えてられないだけ。忘れてはいけない筈なのに…今しか見たくないだけ」
私たちは違う場所を見ながら、自分を悔やんだ。
「…私さ、志乃になりたいよ」
「またぁ?あんた、知り合ったばかりの時も言ったね」
あの頃とは違う。
自由がいっぱいあって。
強い志乃に憧れてた時とは違う。
「私はまた…思い出には出来ない。傷が消えない限り」
項の傷に一瞬、痛みを感じた。
撫でると、思い出す隆斗の温もりは、昔のモノ。
震えながら、抱き締めてくれた、あの温もり。
「私は単細胞だから、姫菜みたいに覚えてられないだけ。忘れてはいけない筈なのに…今しか見たくないだけ」
私たちは違う場所を見ながら、自分を悔やんだ。

