【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

「頑張りなさい」



「ん」



雄志は偉そうに、私の頭を撫でて離れた。

けど、表情は柔らかく、本人のやる気が伺えて安心した。

…頑張れ…!

プリントに打ち込む雄志に、迷いなんてない筈。

さゆと同じ大学って言い出したら、私は“無理”と否定しただろうけど。

B大なら応援するよ。

背伸びしてる。

けど、確率が0(ゼロ)じゃない場所を選んだ。

生徒の成長は寂しい気もするけど、やっぱり嬉しい。

大人になって行く。

私は雄志の頭を撫でてから、志乃と教室を出た。

無人の食堂に行き、自販機でコーヒーを買って、志乃に一つ投げた。