長かった雄志の補習も最終日。

朝から隆斗と2人で、知識を詰め込ませる。



「姫菜…睨むな;;」



「睨んでないけど」



ジーッと、見つめてただけなのに、私は雄志の集中力を欠けさせてしまったらしい。

窓に視線を向け、蝉の大合唱を聴きながら、欠伸をすると、教室のドアが開かれた。

振り向くと、そこには志乃。



「馬鹿な弟がごめんねー」



志乃は雄志の隣の席に座ると、私にニヤリと笑った。

…何、今の笑い;;



「雄志、B大を受けるらしいよ」



「バラしに来たのかよ!!」



突然、始まった姉弟喧嘩も気にせず、私と隆斗は驚いて目を合わせた。