【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

ーーバンッ

力強く開けられた、職員室の扉。



「はぁ…はぁ…いた……」



「隆斗…?」



…どうして居るの?

“次”って言われてたのに。

私は汗だくの隆斗にハンカチを片手に近付く。



「姫菜が気になって…」



…馬鹿っ。

私は、何を不安になってたんだろう。



「ヤキモチ妬くんじゃないか心配で言えなかったのに、馬鹿が叫ぶから」



隆斗と優しい優しい嘘に気付けなかった。

…ごめんね…。

ごめん、隆斗…。

私はまだまだガキだよ。

奥さんとして、もっと成長しないとダメだ。



「ありがとう…ッ」



私を気遣ってくれて…――。