「隆斗…――」 私は手紙を胸に抱きながら、指輪の形跡(あと)の残る左右の薬指を見た。 指輪やピアスは全部、拘置所に入る時に回収された。 出所したら…帰って来る。 「毎日、来てくれる梅田や生徒さんたちの為にも、聴取はちゃんと受けような?」 「はいっ」 私は力強く、菊田さんに返事を返した。 菊田さんは、私に微笑み、去って行く。 私は立ち上がり、菊田さんの背中に頭を下げた。 何年かかっても、隆斗やみんなに会いに行く。 そう、胸に誓って―――……。