「遅れてすまない。隆斗君、連絡ありがとな」



何者かに壊された学園祭。

さっき連絡した、義父親となった理事長が20分ほどで来た。

出迎えた俺に頭を下げた理事長。

俺は首を振り、職員室のドアを開けた。



「理事長…この度は本当に、申し訳ありません」



理事長に気付いた校長は頭を下げる。



「校長先生が謝る事ではありませんよ。誰も予期してなかったんですから」



校長は「はい」と言いながら、暗い表情のまま、頭を上げた。

俺は放送で、「生徒の皆さんは作業を一旦、止めて、教室に戻りなさい。繰り返します」とアナウンス。

体育館が使えない為、放送で理事長が挨拶する事になったからだ。