私は職員室を出て、登校して来た生徒たちが片付ける姿を見回りながら、無人の3年F組の教室へと来た。

無造作に置かれた鞄。

みんな、慌てて体育館へ行ったんだろう。

体育館からゴミ袋を出す生徒たちの姿を見てると、真優と弥栄子が、E組の生徒と一緒にゴミ捨て場へと歩いて行ってる。

…迷惑掛けてごめんね。

頑張って作った学園祭を、こんな事にしてしまってごめんね。

私は教卓のモノ入れから、チョークケースを取り出した。

短くなった白いチョークを持ち、黒板の右前に立って涙を拭い、腕を上げた。