【完】祝・高校教師〜彼氏を追い掛けました㊤〜

私は「あんた、何か隠してるよね?」と、いつもと態度を変えて問い質した。

彰宏は泣きながら、「俺…【KINGーキングー】のスパイです……」と言った。

【KING】は【紅】の地位を狙うチーム。

私は彰宏にこれから何が起こるのか聞き出し、たまり場へと走った。

“「総長たちは居ないと伝えたから、【KING】は総出で【紅】のたまり場に向かった筈です」”

―――こんな事って、あり得る?

私、何で隆斗たちの意見も聞かずに、彰宏を【紅】に入れさせたんだろう。

これは、私が悪いのかも知れない…。

私は白いコートに水溜まりを踏んで飛んだ水飛沫にも気にせず走った。