身体を花に飾られた豊。




死の知らせからあっと言う間に日にちは過ぎて、

今日は、豊が灰になる日。お葬式。






「皆様、豊さんに最後のご挨拶を…」



冠婚葬祭で利用される小さなホールの、進行役スタッフの声により、
皆が豊を見送る。




私も近くに行き、豊の白い顔を見る。



これで豊に会えるのは最後なんだ……



そう思った途端に浮かぶのは、これから焼かれて、形も無くなる豊。



「っ!やっ…やだ!」


「音和!!」
「音和ちゃん!?」


今まで静かだった私が、突然大声を出して、豊が入っている棺桶を掴んだものだから、

隣に居た私のお母さんや、向かい側に居た豊のお母さんが、びっくりして私を呼んだ。