「うん、またね」


あたしもヨシヤに負けないくらいの笑顔で見送る。


「ユウ……」


夕方6時。

小さい通りだけど、人通りが激しい。


タクシーが次々と駅へ向かい、また駅から遠ざかっていく。


そんな風景の中、あたしはヨシヤとキスをしていた。


「……」


唇を伝って、あたしの中へヨシヤの温かさが注ぎ込まれていく。




――幸せ、だった。