「あー何泣いてんだよ」 「わ、わかんなーいよぉ~」 改札に向かう人、出てくる人、 いろんな人が俺たちを見ているだろうが、 そんなのは全く気にならなかった。 「……ばーか。鼻水つけるなよ」 「ふぇ~ん、じゅん、いちの~ばか~」 嗚咽がひどくて何言ってるか全く分からない。 口調はいつも通りの憎まれ口だが、 華奢で小さくて、脆いものに思えた。